みなさんこんにちは
フミです。
冬になり風邪やインフルエンザが流行する季節になりつつありますね。
私が働いている病院でもインフルエンザの患者さんが来院します。
そこで風邪には、あれが効く、これはダメだとちまたではいろいろ言われていますが、それに科学的根拠はあるのでしょうか?
今回はマスクが風邪の予防に効果があるのか書きます。
先に結論を書きますと、タイトルを見て頂ければわかるとおりマスクだけでは風邪の予防にはなりません。
風邪の原因とは
まずマスクが効果の前に、風邪とは何かを書きます。
風邪の原因となる病原体の約九割がウイルスで、残り一割が細菌と言われています。
ウイルスや細菌は約200種類も存在し、風邪という呼び名は病名ではなく単なる総称です。
溶連菌感染症などの細菌による風邪には抗生物質が効くが、インフルエンザを含むウイルス感染による風邪に根本的な治療法はありません。
治すのも、予防するのも自分の免疫力や生活習慣によるところが大きいです。
マスクは効果なし
ちまたではウイルスカットのを謳った様々なマスクがあふれています。しかし、WHOのガイドラインではマスクの日常的な使用は勧めていません。
多くの研究ではマスク単独では、風邪の予防に効果が認められていません。
マスクは本来『予防』よりも、他人に『移さない』ために着けるものです。
インフルエンザの家庭内感染を調べた研究では
マスク着用群の感染率が16.2%で、非マスク着用群が15.8%。
医療従事者を対象にした別の研究では
常時マスク着用群では風邪の症状は一年間の中で16日だったのに対し、非着用群では14日。
どちらもマスク単独で効果は証明できてないようです。
健康な人がマスクを着けているからといって風邪に感染しないわけではないのです。
なぜ効果がないのか
風邪の原因となるウイルスは、花粉の1/100~1/1000ぐらいの非常に小さなサイズです。
そのため一般的なマスクでは、ほぼ通り抜けてしまいます。ただし、鼻水やくしゃみよってウイルスの周りが水分で覆われた物はサイズが大きくなるので、人混みの閉鎖空間などでは予防の効果があると考えられる。
重要な事は風邪のほとんどは「空気感染」をしません。咳やくしゃみによってウイルスが飛び散る「飛沫感染」や、ウイルスの付いたものを触ることによる「接触感染」によって移る。
どう予防するべきか?
マスクを着用するかつ手洗いをすれば、インフルエンザの発症率を35~51%減らせるという報告があります。
人は思ったより無意識のうちに手で自分の顔などを触ることが多いので、マスクに気を配るより手を清潔にする方が予防には効果的です。
まとめ
現在までの日常的なマスク着用による感染予防効果を示す明確な根拠はない。しかしマスク着用+手を清潔に保つことで感染予防効果があるようです。
風邪やインフルエンザの予防においては、マスクを着用しているから大丈夫だと思わず、手を清潔に保つ事と併せて行うことが大事です。