『老後2000万円足りない?』問題を考えてみる。年金制度は得or損

みなさんこんにちは

フミです。

今回は今世間を騒がせている『老後2000万円足りない』問題を考えてみます。

6月3日に公表された金融審議会の報告書『高齢社会における資産形成・管理』を巡り、2000万円の数字の正否など、議論されています。どことはいいませんが不毛な追及ばかりし、建設的な意見をださず政争の具にしようとしているのが目に余ります。

本当に老後に2000万必要なの?

この問題が今更大騒ぎになるとは夢にも思いませんでした。マスコミと野党の参議院選対策には頭が下がります。

私も1月29日に『夫婦二人なら、老後の資産はどれぐらい必要なのか?』というブログを書いています。そこでは人生100年時代と言われ始めているので60歳からの100歳までの40年で今の年金世帯の状況で約2600万円ほど足りない計算となりました。

金融審議会の報告書にモデルケースは夫65歳、妻60歳から30年生きるとすれば単純計算すると約2000万円足りない計算となっているようです。

日本の年金制度を知ろう

(参照元:厚生労働省『いっしょに検証!公的年金』のHPより)

年金は上の図のように2階建て(ロフト付)方式になっています。上の図を見て頂けるとわかると思いますが人ぞれぞれもらえる年金額は大きく違います。

老後の生活費については各個人によりかなり幅があります。報告書でも「自らにふさわしいライフプラン・マネープランを検討する」「その検討に際しては、一つの見通しだけでなく、楽
観的、悲観的な見通しも考慮することが重要であり、必要に応じて、第三者としての立場からアドバイスできる信頼できるアドバイザー等を見つけて相談することも有効であろう。 」とも書かれています。

老後の生活費は総務省統計局の「家計調査」などを見てみると一カ月あたり約26万円と見込むこともできますし、現役時代の生活費の5~7割とも計算することができます。

それぞれ各個人で、住宅ローンや年金の受給額や生活費など様々なケースがあります。2000万円必要という数字は標準的なケースとしては参考になる数字ではないかと考えられます。

積み立ててるの足りないのはおかしいのか

年金を積み立てているはずなのに足りないのはおかしいという考え方があるそうなんですが。これは年金制度をよく理解してない事が原因で誤解を招いているようです。

民間の個人年金保険などは「積立方式」で国の年金は「賦課方式」です。将来自分がもらえる年金を積み立てるのが積立方式で、現役世代が支払った保険料を現在の年金受給者に支払うのが賦課方式です。

積立方式に賦課方式にもデメリットがあります。

積立方式ですとインフレによる資産価値の目減りや運用成績が悪いと年金の削減が必要になります。

一方、賦課方式ですと現役世代と受給世代の比率に影響を受け、受給世代の比率があがれば、保険料をあげるか、受給額を下げる必要があります。

経済が順調で、少子化が進まなければ賦課方式でも問題なかったのかもしれませんが、経済が停滞し少子化が進んでいる状況では、世代間でかなりの損得が生まれています。

また『100年安心』というキャッチフレーズを使用したことも誤解を与えてしまったのかもしれません。年金制度は100年安心ですが、老後の生活が100年安心というわけではありません。

公的年金制度は得or損?

上にも書いていますが、年金だけで豊かな老後の生活をおくれるかと言われますと無理です。では公的年金制度は得なのか損なのかを考えてみます。

このようにネガティブな情報ばかり聞いてしまうと「年金を納めず自分で運用した方がお得なのでは」考える人もいるでしょう。しかし国民年金の未納はおすすめできません。未納が続くと延滞金、さらには財産差し押さえまで行われることもあります。

マイナンバーなどで所得なども捕捉されていますので、なかなか逃げる手立てはないようです。

公的年金を保険商品と考えてみると結構いい商品ではないかと考えられます。インフレ耐性がある程度あり、終身で受け取ることができます。民間で同様な水準の保険を作ろうとすればかなり高い掛け金が必要になってきます。

また病気やケガなどで障害が残ってしまっても障害年金や障害一時金などを受け取ることもできます。

まとめ

今回の報告書が話題になったことで、老後のお金について少しでも関心を持つ人が増えたならある意味良かったのではないかと考えます。

この報告書は、自分自身の資産形成を考える上でも読む価値があります。金融リテラシー向上や各ライフステージでの注意事項なども書かれています。少し長い報告書ではありますが是非一度読んで自分の将来のお金について真剣に向き合ってみてください。

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