入浴中の死亡の原因のほとんどはヒートショックではなかった

みなさん、こんにちは

フミです。

今回は入浴中の死亡の原因のほとんどはヒートショックではないという事を書きます。

産経デジタルに高齢者入浴中の事故、熱中症8割超 ヒートショックは1割未満というタイトルで記事が出ていました。

詳しく正確に知りたい方は産経デジタルの記事を読んでください。

交通事故の約4倍の人が亡くなるヒートショックなどと様々な媒体で書かれていますが、この記事を要約すると入浴中の死亡者数のほぼすべてがヒートショックと結び付けられていましたが、実際はそのほとんどが熱中症が原因の可能性が高いという記事です。

同じような結果が出ている論文も昨年にはでていたようです。

詳しくはCarenetのこちらの記事を読んでください。原著論文はこちら

入浴中に熱中症?

入浴中に熱中症?と思う人もいるかもしれませんがお風呂場は熱中症が起こりやすい環境になっています。お風呂場は気温が高く、湿度も高く、風もない場所です。

(引用元:入浴関連事故の実態把握及び予防対策に関する研究)

この3つを兼ね備えている場所ですので注意しないとすぐに熱中症になります。

そして高齢者に入浴中の熱中症が多い理由は

  • 高齢者は神経系(暑さや寒さを感じる)が鈍くなっている傾向がある
  • 長時間浴槽につかる傾向がある
  • 熱中症の初期症状に気が付かない

などがあるようです。

記事によると

体温37度の人が全身浴をした場合、湯温が41度だと33分、42度だと26分で体温が40度に達する。この結果、入浴中であっても重度の熱中症の症状が出て、意識障害を生じるリスクが高まる。そのまま入浴を続け、体温が42・5度を超えれば突然死することもある。

(参照元:産経デジタルの記事

そこで熱中症の症状を見てみましょう

熱中症の症状は?

熱中症とは、体温が上がり、体内の水分や塩分のバランスが崩れたり、体温の調節機能が働かくなったりして、体温の上昇やめまい、けいれん、頭痛などのさまざまな症状を起こす病気のことです。

重症度で、つぎの3つの段階にわけられます。

・Ⅰ度:現場での応急処置で対応できる症状

立ちくらみ、筋肉痛、筋肉の硬直、大量の発汗

・Ⅱ度:病院への搬送を必要とする症状

頭痛、気分の不快、吐き気、嘔吐、倦怠感、虚脱感

・Ⅲ度:入院して集中治療の必要性のある重症

意識障害、けいれん、手足の運動障害、高体温(熱射病、重度の日射病)

入浴中の熱中症対策は?

(引用元:入浴関連事故の実態把握及び予防対策に関する研究)

入浴中の熱中症対策はほぼヒートショック対策と同じです。

  • 冬で寒いからと言ってお風呂の温度が42℃(高齢者は41℃)以上で入るのはおススメできません。のぼせる可能性が高くなります。
  • 寒いからと言って長湯も気を付けてください。できれば10分以下でお願いします。

この二つは必ず守りましょう。その他にも

  • 全身浴はやめましょう。浴槽内で溺浴になる可能性が高くなります。
  • 脱衣所と浴室は、他の部屋と同じぐらいまで温めてください。
  • 湯船から出る時はゆっくりでお願いします。
  • 食後やアルコール摂取後はなるべく入らないでください。
  • 深夜や早朝はなるべく入浴を避けてください。
  • 家族に声をかけて入ってください。

などにも注意すれば熱中症になったとしても早く発見されたり、ヒートショック対策にもなります。

お風呂でぐったりしている人やおぼれている人を発見した場合

声をかけても反応のない場合は浴槽内から救出もしくはお風呂の栓を抜き、頭がお湯につからないようにしましょう。

そのあとに119番通報を行います。

心肺停止状態の場合は一次救命処置を行います。

(引用元:入浴関連事故の実態把握及び予防対策に関する研究)

まとめ

入浴中の死亡の原因の多くはヒートショックではなく、熱中症により湯船に顔が浸かり、溺死の可能性が高いようです。

入浴中の熱中症対策もヒートショック対策とほぼ同じなので気をつけましょう。

特に高齢者は、エアコン嫌いや熱いお湯で長風呂好きな方がおられるようなので、周りの方も注意して見守りましょう。

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