みなさんこんにちはフミです。
みなさん新築の一戸建てを建ててどんな生活をしたいですか?
当サイトでも住宅についていろいろ書いています。しかし、素人の聞きかじりの情報で正しくない事や、根拠なども希薄な情報もかなり書いています。
そこで今回紹介する本『伊礼智の「小さな家」70のレシピ』(伊礼智、エクスナレッジ、2014)は小さな家でも居心地の良い生活したい人におすすめの本です。
どんな人に読んでほしいかといいますと
- 狭小地で家を建てる必要がある
- 狭小地の実例を見てみたい人
- 実務者で設計に行き詰っている人
上記の方には是非読んでいただきたい。
これまでの家関係の本は主に性能や省エネに関する本を紹介しましたが今回は意匠やデザインに関する本を紹介します
著者の伊礼智先生ってどんな人?
1982年に琉球大学理工学部建設工学科卒業後、東京芸術大学大学院美術研究科に進学し建築を専攻し修了。
1996年伊礼智設計室開設。現在、自らの主催で住宅デザイン学校も実施。2006年「9坪の家」、2007年「町角の家」でエコビルド賞受賞。
最近ではさまざまな住宅関連のコンテストの審査員としてもご活躍されています。
主な建築賞はサステナブル住宅国土交通大臣賞、東北建築賞作品賞、JIA環境建築賞優秀賞などを受賞。
『伊礼智の「小さな家」70のレシピ』について
写真やスケッチ、詳細図などで小さな家のレシピをこれでもかというほど紹介しています。
昔は大きな立派な家を建てるのがメジャーでしたが、現在は面積は小さくすることで、余裕が出え来た予算で質を向上させることで質の高い空間で心地よく暮らせるのではないかと考えられ書かれた本です。
もちろん家だけでなく、外部(庭など)を含めて、心地よい空間で豊かに暮らすことが幸せなことと感じる時代が来るのかも・・・
『伊礼智の「小さな家」70のレシピ』についての要約
70もレシピがあり全部ますが
私が印象に残ったレシピをピックアップして紹介します。
小さな家はエコ
エコというのコストだけでなく、幸福度が高いことも大事です
優れた設計の小さな家は、コストパフォーマンスの高さと幸福度の高さを両立させる最大のエコです。
開口部近傍に心地よさは宿る
外を取り込むことにより、開口部を心地よい空間に演出する。
天井を低めに
天井が低くても広く感じる設計もありますし、天井が高くても狭く感じてしまう設計もあります。
設計だけの問題でもありませんが、天井が低くてもいいものができる。
子供部屋は立体で考え、家具で仕切る
小さな家にするためには3畳か4畳に抑えたい。そこで抑えるためには、家具で仕切る、収納で仕切る。
小さな家に合う定番家具
伊礼智設計室の定番家具。
カイアールの「Nテーブル」。丸テーブルなら、カイアールの「ラウンドテーブル」小泉誠デザインの「MAYテーブル」
イスはゆったり座れるカイアールの「はんぺんチェア」、「Yチェア」「J39 シェーカーチェア」「U chair」
ソファはIDEEの「DIVANCO SOFA」
家具を浮かせる
家具を浮かせることで床面が多く見えるので広く感じることができます。
内外を曖昧に遮る、半透明のような建具
障子の組子に和紙ではなくレースを張った建具で、内部と外部の関係を曖昧にするような半透膜のような障子を作り、昼間は外から内は見えなくて、内から外の様子が伺い知ることができ、光も和らぎ、風も穏やかに通します
伊礼智先生の発言ではないですが一番印象に残っている文章は
「30坪で4人家族がちゃんと住める住宅が設計できないなら、それは設計が下手なんだ」
設計する人たちには耳が痛い言葉かもしれません
『伊礼智の「小さな家」70のレシピ』のまとめ
「小さな家」では丁寧な設計が必要で、さらに住み手の常識を壊し、住む力、住む工夫が必要不可欠になります。
細部に拘ることで、心地よい空間になり、質が高い空間になることが書かれています。
いらないものてんこ盛りの住宅よりも、本当に必要なものの質感が高いほうが幸福度の高い住宅なる。
健康、快適に暮らすためには高断熱、高気密も必要ですが、居心地いい空間を創ることも必要です。